中堅ITグループ会社

「人は育てれば育つ」ことを理解し、人材育成に注力

当初の課題

創業15年で、毎年増収増益を出し続けている40億程の会社で、近年、大手IT企業に買収された優良企業。
業績は伸びているものの、人を育てるという文化がなく、数名のトップセールスマンに支えられて業績を伸ばしている会社であった。
そのため、中途採用、ヘッドハンティングを繰り返し、優秀な人材を採用しようと試みるが、離職率が高く、定着しないという課題を抱えていた。

コンサルティングポイント

中心となっている主要メンバーを集め、なぜ離職率が高いのか、なにが問題なのかを話し合った。
ベテランのプロパー社員である彼ら自身が育てられたという経験がなく、創業社長のもとに、たたき上げで這い上がってきたタイプで、「今の若いものは、貪欲さに欠ける」「売ってくるという意識が低い」「あいつも、こいつもなってない」と、人材の資質に問題意識を向けるばかりで、人を育てる意識に欠けていた。
そこで、新人と3年目~5年目の社員を集め、OJTのペアを組み、半年間、人材を育成する仕組み作りのための指導を行った。
毎週新人は、目標設定と振り返をし、OJTシートを提出、トレーナーがコメントを入れてフィードバックしたものを、更に講師から指導の仕方をコメントして返却するということを26週間継続して実施した。

プロジェクト成果

新人の成長と、トレーナーの育成力が上がり、OJTシートを元に、PDCAを回すという人材育成の仕組みが定着した。
その年に採用された新人5名は3年目を迎えて今もなお離職しておらず、これまでは独り立ちするまで、最低3年かかっていたのが、一年目の後半から単独で営業できるレベルに達し、組織に貢献できる人材として成長した。
当初、このOJT研修にあまり期待していなかったベテランのプロパー社員も「人は育てれば育つ」ということを理解し、人材育成に注力するよう意識が変わった。